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空虚な気持ちに襲われた。高校生のあのとき死んでしまえばよかったと思った。希死念慮はなかった。眠かった。明日が来たところで意味が無かった。犬に会いたかった。私は弱いのに何もできない人間だった。私を憎んでいる人がたくさんいた。もう何でもないときに切れるようになった。血の味と匂いが好きだった。次の日お風呂に入ったとき、傷口が疼くように痛むのが好きだった。夢の中にいるような感覚が抜けなかった。祖父に会いたかった。実家にある祖父の仏壇がとても綺麗で、死んだら私もああいうのを買ってもらえるのだったら、幸せだと思った。空虚だった。時間が早く過ぎればいいと思った。目覚めても希死念慮が消えないのは懐かしい感覚で心地が良かった。薬を飲むと副作用で酷く倦怠感に襲われるので、嫌だった。それで医者が薬を変えずに作業的に出しているのを眺めていた。そうまでして生きる理由も分からなかった。思考に疲れていた。死ねばどうせ悲しむ人が出てくるのだから、それは今死んでも同じことだと思った。道端で運悪く交通事故に遭うのと何一つ変わらなかった。情けをかけられるのも嫌だった。寄り添われるのも嫌いだった。一人でひっそりと死にたかった。一度でも誰かに死ねばいいと思われたのだったら、それは死ぬ理由になる気がした。疲れた。死にたい気持ちが消えなかった。3日ほどずっと続いていた。死にたかった。行動に移すほどでもなかった。何かに疲れていた。何かは分からなかった。人生の中で私はいつが最も幸せだったのだろうと考えた。分からなかった。中学くらいのときかもしれなかった。友人と仲違いをした。生きる理由にもなる存在だった。ずっと、ずっといろいろな人が捨て台詞のように私に吐いた別れの言葉が生きていくごとに増えた。もっとこれから生きづらくなっていくのが明白だった。私も同じように罵詈雑言を吐いてきたのだった。影響を与える存在にも与えられる存在にもなりたくなかった。私には慕われるだけの価値はなかった。何かされるほどの価値はなかった。それで情けをかけられるのは酷く惨めな気持ちになるのだった。最近ずっと調子が悪かった。どうすればいいのか分からなかった。明るく振る舞うのが正解だった。私はよく分からなかった。少しずついろいろなことが重くのしかかっていった。私は救われてはいけない存在だった。