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昨日の文章はここであげたつもりだったのに、もう一つのよくわからないところに飛んでしまっていたので公開されていなかったようだった。昨日の夜のような振戦が起こるのが怖くて今日はまだ栄養ドリンクを飲めずにいるし、吐き気がするくらいまで水分を摂取して、食欲もないのに食べ物を口に運んでいた。無気力に抗う術を心得てもいなかったが、希死念慮に襲われるよりはましだった。希死念慮に襲われると、自分が欠陥をもった人間であることを痛感するので、自らを消してしまいたくなるのだった。自転車を故障させた。出かけたい場所があったが、車輪が回るたびに街中に機械のぶつかる音が響くので、修理に出すことにした。空気がなく、振動がホイールに直に伝わってしまったために起こった不調らしかった。店主は私を自転車を虐待した飼い主のように非難めいた目で一瞥した。事実、私は生活のあらゆるものに対して虐待のようなものを行っていたので、むしろ気さくな対応をされるよりはそのほうが良かった。心臓につるされたロープをずっと重く引っ張られているような心地がした。夜を綺麗だと思えなかった。大学でなんとなく関わる人間のコピーが生活音を形成する、酷くくぐもったノイズが温い空気を動かしていた。恋人に電話を遅らせてもらったのに、出かけるようもなくなったのに、私は昨日からどこか不安に足先を浮かされているような心地で歩いていた。今は安定していた。安定したことに戸惑い、いつまでもケージを練り歩くラットのようだった。人生で一度はラットを飼ってみたいと思った。私は大学の科の中では一番ラットを好んでいるような気がした。ラットを気持ち悪がっている人間がいて、私にはどちらかというとラットのほうが人間よりは愛嬌のある見た目をしているように思われた。